今年の年末調整は「去年と同じ」では通りません|基礎控除引上げと様式変更のポイント

令和8年度の税制改正で基礎控除と給与所得控除が引き上げられ、その精算は今年の年末調整で行います。所得税がかからない給与収入のラインは「160万円」から「178万円」へ広がり、所得税の負担が軽くなる方が増える見込みです。

ただし申告書の様式や、配偶者・お子さまの控除判定も変わっており、例年どおりの感覚で記入すると、確認や訂正が必要になるケースもあります。

1. 申告書は「去年と同じ内容」だと、やり直しになります

控除額の判定区分が見直され、基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・特定親族特別控除申告書・所得金額調整控除申告書(兼用様式)の書き方が変わりました。昨年の控えを見ながら同じ数字で提出されると、正しく計算できません。

用紙を配付するときに「今年は判定のしかたが変わっています」と一言添えておくと、回収後の手戻りを減らせます。

2. 配偶者・お子さまの控除判定も変わっています

配偶者については、給与収入だけであれば136万円以下が配偶者控除の目安です。これを超えても、一定の範囲であれば配偶者特別控除を受けられる場合があります。

お子さまの要件はこれとは別です。19歳以上23歳未満のお子さまには、収入があっても金額に応じて段階的に控除が受けられる「特定親族特別控除」があります。アルバイトをしている大学生のお子さまがいる方は、昨年の感覚のままだと判定を誤りやすいところです。

3. 12月の給与支給日が早い会社は要注意

年末調整は年内最後の給与支給日までに行います。支給日が早い会社では、そのあとに結婚・就職などで扶養親族の異動が生じ、やり直しになることがあります。

年末調整のスケジュール ── 今年は「前倒し」が効きます

時期やること
10月中従業員へ案内。保険料控除証明書は再発行に時間がかかるため、紛失の確認はこの時期に。
11月申告書の回収と確認。今年は様式が変わっているため、確認の時間は多めに。
12月〜翌1月年内最後の給与支給日までに実施。1月10日までに源泉所得税の納付(納期の特例は20日)、31日までに法定調書等の提出。

出典:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」

※2026年10月1日現在の法令・通達に基づきます。今後の改正等で取扱いが変わる場合があり、個別の事情により結論も異なります。実際の判断にあたっては、当事務所までご相談ください。

投稿者プロフィール

松沼弘泰
松沼弘泰税理士
2021年7月より川越にクラウド会計に特化した事務所を移設
川越から海を越えて海外にまで活躍していく企業をサポートしたいという思いから立ち上げました。
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