iDeCo(イデコ)の出口を考える ①タイミング検討の重要性

確定申告の時期となりました。

ご自身の税金に一番関心が向く時期ですよね。※法人成りについての検討は、前回記事を上げております。興味がありましたらどうぞ。

iDeCoや小規模企業共済に加入を検討されている方も多いともいます。

先日、yahooでこんなニュースを見て、そういえばiDeCoの加入検討はしても出口についてはあまり検討がされてないなと思いまとめてみました。

「確定拠出年金の一時金をいつ受け取るか…課税ルール変更を受けて」という下記の記事です。

https://news.yahoo.co.jp/articles/667077631c0ba78d07a5eb50eff52cefd8e9db2e

確定拠出年金の一時金受取の最終年齢が75歳に延長されたことが話題になったような気がしますが、その一方で受取時のルールも変わったことを知っている方は少ないのではないでしょうか?

今回の記事でお伝えしたいこと

iDeCoの一時金をいつ受け取るのかによって税金に違いがあるから、今のうちから注意しておきましょう。

まず、退職金に関わる基本的な税金計算についてですが、下記の通り退職所得を計算して、他の所得とは合算せずに分離課税を行います。

※あくまで説明のために簡略化しています。例外はありますのでご注意ください。

退職所得の計算方法

退職所得=(退職金ー退職所得控除)×1/2

退職所得控除→勤続年数に応じて決まる。

他の所得と合算せずに分離課税

iDeCoに加入されている方は、他の所得よりも優遇されていることにメリットを感じて加入されたはずだと思います。

しかし、いつ受け取るかによって、この「退職所得控除」の計算が変わってくることは知ってましたか?

複数の退職金などを受け取る場合に注意をしておかないといけないルールが存在するのです。

複数回の退職金などを受け取る場合

勤続期間の重複期間の年数に基づき計算した退職所得控除額相当額を控除した残額が退職所得控除額となる。

国税庁では下記の通り、記載されています。

出典:国税庁ホームページ(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2732.htm)「No.2732 退職手当等に対する源泉徴収」より抜粋

なお、次に掲げる重複期間がある場合には、本年分の退職手当等の勤続年数に基づき上記表により算出した退職所得控除額から、重複期間の年数(重複期間に1年未満の端数がある場合には切り捨てます。)に基づき上記表により算出した退職所得控除額相当額を控除した残額が退職所得控除額となります。

  1. 1 本年分の退職手当等が、前年以前にその支払者又は他の支払者から支払われた退職手当等の勤続期間を通算して計算している場合に、本年分の退職手当等の勤続期間と前年以前に支払われた退職手当等の勤続期間との重複期間
  2. 2 前年以前4年内(確定拠出年金の老齢給付金として支給される一時金の支払を受けた年分は前年以前14年内)に他の支払者から支払われた退職手当等(以下「前の退職手当等」といいます。)がある場合に、本年分の退職手当等の勤続期間と前の退職手当等の勤続期間との重複期間
     なお、前の退職手当等の収入金額が、前の退職手当等の勤続年数に基づき上記表により計算した額を下回る場合には、前の退職手当等の勤続期間はその期間の初日から次表の算式により計算した数(1未満の端数は切り捨てます。)に相当する年数を経過した日の前日までの期間であったものとして、本年分の退職手当等の勤続期間との重複期間の計算をします。

今回抜粋した国税庁のホームページの内容とyahooの記事から、今回特に注意していただきたいのは下記の通りです。

注意

1.退職一時金を受け取る前年以前「4年内」にiDeCoを一時金で受け取ったら退職所得控除の調整がありますよ。

2.iDeCo(一時金)を受け取る前年前「14年内」に退職一時金を受け取ったら退職所得控除の調整がありますよ。

3.そして、今回この「14年内」が「19年内」に延長されることとなりますよ。

ということは、そうです。退職一時金とiDeCo(一時金)の受け取るタイミング次第で、退職所得控除額が変わってくることとなります。

そして、今回「14年」が「19年」に延長されることで、そのタイミングを考える重要性が増してきそうですね。

具体例がないと、わかりづらいと思いますので、次回以降で具体例を交えて説明したいと思います。

投稿者プロフィール

松沼弘泰
松沼弘泰税理士
2021年7月より川越にクラウド会計に特化した事務所を移設
川越から海を越えて海外にまで活躍していく企業をサポートしたいという思いから立ち上げました。
創業、融資、バックオフィス機能の最適化を支援します。
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